アドレナリンやテストステロンの作用

アドレナリンやテストステロンといったホルモン物質が興奮するような

遊びとどのように関係してくるのだろうか。

 

前回にも書いたように、このようなホルモン物質は興奮することで

分泌される物質である。

 

そして、これらのホルモン物質は心理的にも闘争本能を高める作用が

あることが証明されている。

 

また、どちらも痛覚を麻痺させるような働きも持つ。

 

良く聞く例えとしては、格闘家やボクサーの話がある。

 

どちらもリングの中に入るころには、このようなホルモン物質が分泌され、

闘争本能が高められているのが分かる。

 

闘争本能剥き出しなぐらいだ。

 

そして、ゴングが鳴り試合が始まると、痛覚が麻痺しているため、

その場ではあまり痛みを感じることなく殴りあっている。

 

そして、試合も終わりしばらくすると激痛が走るという。

 

これは男性なら分かる方も多いのではないだろうか。

 

殴りあいの喧嘩でも同じような状態になるからだ。

 

要するにだ。

 

興奮するような遊びをすることでこのようなホルモン物質が分泌される

ということが分かっている。

 

そして、それらのホルモン物質が分泌されると闘争本能が高められる

ことも分かっている。

 

それが他の犬に対して興奮しやすい犬であれば、犬を見かけると

攻撃的な行動を取ったり、よりギャンギャン吠える行動につながる

というのが、そういった考え方の一つの理由なのだろう。

 

しかし、良く考えて欲しい。

 

上の例えで挙げたような格闘家達は、試合が終わると相手の選手の

健闘を称え言葉をかけたり、ハグをする。

 

試合後のインタビューの頃には試合前の雰囲気とは異なり、とても

穏やかな表情で喋っている。

 

数日後にはバラエティー番組に出演し、大声を出して笑っている

姿を見たりもする。

 

これはどういうことを指していると思いますか!?

 

 

ホルモン分泌による関係性

さて、前回の続きとして、他の犬に興奮しやすい子に対して興奮させる

ような遊びをさせるのはNGなのかというところをもう少し触れてみよう。

 

実際にそのような話を聞くことはある。

 

しかし、調べてみたところ、どれも憶測に過ぎない。

 

興奮するような遊びをさせることで、より興奮しやすくなるだとか、

犬に対して興奮しやすい子がギャンギャン吠えるようになっただとか、

確固たる関連性は見当たらない。

 

事実、前回に書いた飼い主さんの飼っている犬は一年近くそのような

遊びを止めたにも関わらず、全く犬に対しての行動に変化はないという。

 

それもそのはず、生物はある特定の刺激によって行動が変化する。

 

おもちゃ遊びという刺激をなくしたからといって、犬という刺激に興奮

しないわけではない。

 

結局のところ犬という刺激をコントロールしなければ何にもならない。

 

逆をいうと犬という刺激をコントロール出来るようになってしまえば、

興奮するようなおもちゃ遊びをしたところで問題はない。

 

では何故そのような考え方がうまれたのだろうか。

 

その理由の一つとして、興奮することで分泌されるホルモンによる

関係性が挙げられる。

 

興奮することで分泌されるホルモンとしてアドレナリンやテストステロン

という物質が挙げられる。

 

テストステロンという言葉をあまり耳にすることはないと思うが、アドレナリン

という言葉は聞き覚えがあるだろう。

 

皆さんはこのアドレナリンという言葉にどのようなことを想像するだろうか。

 

興奮状態や攻撃的な様子、痛みなどの感覚麻痺、このようなことを

イメージする方も多いのではないだろうか。

 

事実、そのようなイメージ通りの作用をもたらす。

 

もちろん、それだけではなく医学的に使用されたりもする。

 

では、そのようなホルモン物質が興奮するような遊びと、どのように

関係してくるのかを次回書いてみよう。

 

 

犬を見ると興奮する子に興奮しやすい遊びはNG?

犬を見ると興奮する子は、結構多いのではないだろうか。

 

散歩中であったり、ドッグランであったり、どこかの施設であったり、

犬同士出会う機会はたくさん存在する。

 

そのような機会に犬と出会うと、興奮状態になり全くこちらの声が

聞こえなかったり、攻撃的になったり、ギャンギャン吠えたり、

そのような行動をしてしまう子も少なくはない。

 

おやつなどで気を反らそうとしても、全くおやつに見向きもしなかったり、

おやつを一瞬で食べて、またすぐに元の状態に戻ってしまう。

 

犬を見て興奮してしまう子はそのようなタイプが多い。

 

さて、先日飼い主さんとこのような話をする機会があった。

 

その方の飼っている犬は他の犬に対して、攻撃まではいかないまでも

ギャンギャン吠えてしまうことがあるという。

 

そのような行動がわりかし早い頃から見られたらしいので、いろいろな

方にアドバイスをもらったらしいのだが、その中に興奮するような玩具

遊びやディスク(フリスビー)はさせないようにというアドバイスがあったという。

 

その子はロープなどの引っ張りっこ遊びが大好きで、興奮すると

ウーウー声を出しながら、引っ張りっこをする。

 

ディスクも大好きで、とても楽しそうに追いかけていたという。

 

しかしながら、そのようなアドバイスをいただいたということで、それから

そのような遊びはパタリと止めたらしい。

 

それからもう1年ほど経つという。

 

さて、ここからが本題だ。

 

実際にそのようなアドバイスを聞くことは多い。

 

興奮しやすい子に興奮するような遊びをさせてしまうと、より興奮

しやすくなるといった内容だ。

 

結局そこから、他の犬への攻撃性や他の犬にギャンギャン吠えて

しまうことにつながる。

 

事実私も以前はそのようなアドバイスをしていたこともある。

 

しかし、今は考え方がその頃とは異なる。

 

もう少し詳しい話を次回へ続けよう。