さて、前回の続きとして、他の犬に興奮しやすい子に対して興奮させる
ような遊びをさせるのはNGなのかというところをもう少し触れてみよう。
実際にそのような話を聞くことはある。
しかし、調べてみたところ、どれも憶測に過ぎない。
興奮するような遊びをさせることで、より興奮しやすくなるだとか、
犬に対して興奮しやすい子がギャンギャン吠えるようになっただとか、
確固たる関連性は見当たらない。
事実、前回に書いた飼い主さんの飼っている犬は一年近くそのような
遊びを止めたにも関わらず、全く犬に対しての行動に変化はないという。
それもそのはず、生物はある特定の刺激によって行動が変化する。
おもちゃ遊びという刺激をなくしたからといって、犬という刺激に興奮
しないわけではない。
結局のところ犬という刺激をコントロールしなければ何にもならない。
逆をいうと犬という刺激をコントロール出来るようになってしまえば、
興奮するようなおもちゃ遊びをしたところで問題はない。
では何故そのような考え方がうまれたのだろうか。
その理由の一つとして、興奮することで分泌されるホルモンによる
関係性が挙げられる。
興奮することで分泌されるホルモンとしてアドレナリンやテストステロン
という物質が挙げられる。
テストステロンという言葉をあまり耳にすることはないと思うが、アドレナリン
という言葉は聞き覚えがあるだろう。
皆さんはこのアドレナリンという言葉にどのようなことを想像するだろうか。
興奮状態や攻撃的な様子、痛みなどの感覚麻痺、このようなことを
イメージする方も多いのではないだろうか。
事実、そのようなイメージ通りの作用をもたらす。
もちろん、それだけではなく医学的に使用されたりもする。
では、そのようなホルモン物質が興奮するような遊びと、どのように
関係してくるのかを次回書いてみよう。