多頭飼いについて考える 4

ここまでいろいろな話をしてきましたが、今回は多頭飼いについて良い例、

悪い例などを書いていきましょう。

 

もちろん、先にも書いたように、一人ぼっちが可哀想だから2頭目を

飼うという場合には、まず飼い主さんとの時間を考えてくださいね。

 

しかしながら、現実問題その時間を取ってあげれないから、2頭目を

考えているという方は少なくはないでしょう。

 

家族全員が仕事で長時間いなくなってしまったり、子供も学生で

日中は留守というご家庭も珍しくはありません。

 

このように既に先住犬がいて、2頭目を迎え入れるケースとして

書いてみましょう。

 

これは実際にそのような飼い主さん達の実話です。

 

例:1

 

その子はとても留守番が苦手な子です。

 

分離不安とまではいきませんが、飼い主さんがいなくなりそうな時、

その気配を察知し、クンクンと鼻を鳴らします。

 

飼い主さんが出て行ってからは、少しの間吠えてたりもします。

 

ただただ、寂しいのでしょう。

 

今までも書いてきたように、犬には群衆欲求がありますから。

 

そこに2頭目を迎え入れたということです。

 

先住犬の子は、特に犬との社会性も問題なく、どの子に対してもとても

フレンドリーな性格でした。

 

2頭目の子とも、とても相性が良かったそうです。

 

それから、気が付いた時には、飼い主さんがいなくなる気配を察知すると、

鼻を鳴らすことはあるものの、吠えたりすることはなく諦めるのが早くなった

そうです。

 

先住犬の子が一人ぼっちにされる、寂しさが紛れたのでしょう。

 

群衆欲求が少しでも満たされたことが大きな要因でしょう。

 

このように、どうしても飼い主さんが時間を取ってあげることが出来ない

場合、新しく迎え入れたワンコと相性が良く、先住犬が落ち着いて過ごせる

ようになったというのは良い例の一つではないでしょうか。

 

 

多頭飼いについて考える 3

もう少し、多頭飼いについて考えていきましょう。

 

今回は少し余談なのですが、このような面白い話を耳にしたことが

あるので、そのお話を。

 

前回の記事にて、今では犬同士群れを作ることはほとんどないし、

必要ないと書きました。

 

実際にオオカミでもない犬同士が、群れを作ることはありえないという

考え方が主流です。

 

ドッグランへ行き、犬同士が群れを成していくことなんてないですしね。

 

しかしながら、犬同士でも群れを成していくといった話です。

 

これは知り合いのカメラマンさんが沖縄で撮影をしていた時の話です。

 

確か、自然の風景や動物を撮影しに森の中で撮影をしていたという

話でしたが、森の中には野犬がいたそうです。

 

ハンモックにぶら下がって、風景や動物を撮影していたのですが、

一段落してハンモックから降りた時に、あれよあれよいう間に野犬が

集まってきたのだそうです。

 

しかも、その中にミニチュアダックスフンドもいたとか。

 

カメラマンさんはすぐにハンモックに登り、危険は回避できたそうですが、

ダックスがいたと聞いた時には思わず笑ってしまいました。

 

カメラマンさん自体を狩ろうとしたのか、何か匂いのする物につられて

やってきたのか…。

 

ペットとして飼われている代表的な犬種である、ダックスさえも状況に

よっては他の犬達と群れを成すのかと驚きました。

 

そのダックスは捨てられてしまったのか、はたまた脱走してしまったのかは

分かりませんが、一頭では生きていけないような状況になったのでしょう。

 

私も子供の頃、野良犬と何度もあったことはあります。

 

しかしながら、群れで行動している野良犬はいませんでした。

 

その時は近所の人達が食べ物を与えていたような覚えがあります。

 

要するに、生死がかかった状況などでは群れを作る可能性も

否めないのではないでしょうか。

 

今回はそんな余談話を。

 

 

多頭飼いについて考える 2

犬にとっての、所属と愛の欲求とはどのようなものか。

 

犬に対して、所属と愛の欲求という言葉で表されることはありませんが、

それに近いものとして群衆欲求などの言葉が使われることがあります。

 

同様に群れで生活をしたいという欲求です。

 

この欲求を持つことは、種の保存を考えていく上で当たり前の欲求です。

 

犬の祖先であるオオカミは基本的には群れを作り、行動します。

 

そうでなければ、狩りをするチャンスをみるみる逃すことにつながります。

 

常に一頭で行動し、獲物を狩るチャンスを逃し続ければ、待つのは

『餓死』です。

 

そうならないために、オオカミなどは群れを作り、獲物を狩る時には

群れで協力し、獲物を狩るのです。

 

そのような観点からも、群衆欲求…群れでいたいという欲求は本能的に

持っているのでしょうね。

 

もちろん、それ以外の理由もあるでしょう。

 

群れでいた方が安全であることなども、本能的に知っているのでしょう。

 

しかし、今、ペットとして犬が飼われている時代に犬同士が群れを

作っていくことはほとんどありませんし、必要がありません。

 

それは何故かというと飼い主さんがいるからです。

 

飼い主さんと一緒にいれる時間がたくさんあれば群衆欲求は

満たされるのですから。

 

だからこそ、犬が一人ぼっちでかわいそうだから、2頭目を迎え入れると

いう前に、もっと飼い主さんとの時間を作れるかを考えて欲しいのです。

 

それがペットとして飼われる時代に必要な時間なのです。