多頭飼いについて考える 3

もう少し、多頭飼いについて考えていきましょう。

 

今回は少し余談なのですが、このような面白い話を耳にしたことが

あるので、そのお話を。

 

前回の記事にて、今では犬同士群れを作ることはほとんどないし、

必要ないと書きました。

 

実際にオオカミでもない犬同士が、群れを作ることはありえないという

考え方が主流です。

 

ドッグランへ行き、犬同士が群れを成していくことなんてないですしね。

 

しかしながら、犬同士でも群れを成していくといった話です。

 

これは知り合いのカメラマンさんが沖縄で撮影をしていた時の話です。

 

確か、自然の風景や動物を撮影しに森の中で撮影をしていたという

話でしたが、森の中には野犬がいたそうです。

 

ハンモックにぶら下がって、風景や動物を撮影していたのですが、

一段落してハンモックから降りた時に、あれよあれよいう間に野犬が

集まってきたのだそうです。

 

しかも、その中にミニチュアダックスフンドもいたとか。

 

カメラマンさんはすぐにハンモックに登り、危険は回避できたそうですが、

ダックスがいたと聞いた時には思わず笑ってしまいました。

 

カメラマンさん自体を狩ろうとしたのか、何か匂いのする物につられて

やってきたのか…。

 

ペットとして飼われている代表的な犬種である、ダックスさえも状況に

よっては他の犬達と群れを成すのかと驚きました。

 

そのダックスは捨てられてしまったのか、はたまた脱走してしまったのかは

分かりませんが、一頭では生きていけないような状況になったのでしょう。

 

私も子供の頃、野良犬と何度もあったことはあります。

 

しかしながら、群れで行動している野良犬はいませんでした。

 

その時は近所の人達が食べ物を与えていたような覚えがあります。

 

要するに、生死がかかった状況などでは群れを作る可能性も

否めないのではないでしょうか。

 

今回はそんな余談話を。

 

 

多頭飼いについて考える 2

犬にとっての、所属と愛の欲求とはどのようなものか。

 

犬に対して、所属と愛の欲求という言葉で表されることはありませんが、

それに近いものとして群衆欲求などの言葉が使われることがあります。

 

同様に群れで生活をしたいという欲求です。

 

この欲求を持つことは、種の保存を考えていく上で当たり前の欲求です。

 

犬の祖先であるオオカミは基本的には群れを作り、行動します。

 

そうでなければ、狩りをするチャンスをみるみる逃すことにつながります。

 

常に一頭で行動し、獲物を狩るチャンスを逃し続ければ、待つのは

『餓死』です。

 

そうならないために、オオカミなどは群れを作り、獲物を狩る時には

群れで協力し、獲物を狩るのです。

 

そのような観点からも、群衆欲求…群れでいたいという欲求は本能的に

持っているのでしょうね。

 

もちろん、それ以外の理由もあるでしょう。

 

群れでいた方が安全であることなども、本能的に知っているのでしょう。

 

しかし、今、ペットとして犬が飼われている時代に犬同士が群れを

作っていくことはほとんどありませんし、必要がありません。

 

それは何故かというと飼い主さんがいるからです。

 

飼い主さんと一緒にいれる時間がたくさんあれば群衆欲求は

満たされるのですから。

 

だからこそ、犬が一人ぼっちでかわいそうだから、2頭目を迎え入れると

いう前に、もっと飼い主さんとの時間を作れるかを考えて欲しいのです。

 

それがペットとして飼われる時代に必要な時間なのです。

 

 

多頭飼いについて考える

犬を飼って、しばらくすると様々な思いから2頭目を迎え入れたくなる

方もいるかと思います。

 

私もこのような仕事上、そのような思いを持つ飼い主さんと出会うことも

少なくはありません。

 

その中でも、2頭目を迎え入れようと思う理由として、一番多いなと

思うのが、一人ぼっちで寂しいんじゃないかなというもの。

 

もちろん犬は一人ぼっちにされるのはさびしい。

 

人間だって一人ぼっちは寂しいもの。

 

それもそのはず、人間にも犬にも誰かといたいという欲求があります。

 

アメリカの心理学者マズローが人間の欲求を5段階の階層で表した、

『マズローの欲求段階説』というものがあります。

 

ある欲求が満たされると、次に抱く欲求が順々に5段階で表されているの

ですが、その中に所属と愛の欲求というものがあります。

 

マズローの欲求段階説では、この所属と愛の欲求は3段階目に当て

はまります。

 

この所属と愛の欲求というのは、他人に受け入れられたいと思ったり、

どこか組織に所属したいという欲求です。

 

言い換えれば、孤独でいたくない、誰かといたいということです。

 

ちなみにマズローの欲求段階説の1段階目は生命維持のための食事や

睡眠などの根源的な欲求になります。

 

そして、健康や経済的に安全を求める欲求が2段階目。

 

その次の段階で、この所属と愛の欲求がくるわけですから、相当強い

欲求になります。

 

一人ぼっちというのは人間にとっても、とても辛いものなのです。

 

では、犬はどうなのか。

 

ここまで人間のような心理学が学術的に述べられている訳ではありませんが、

かなり当てはめて考えることが出来ると思います。

 

1段階目の生命維持のための欲求は確実に持っていることでしょう。

 

2段階目にある安全の欲求も、経済的なことなどは犬は考えませんが、

健康であることや食事や水分が安全に確保出来ること、落ち着いた場所で

睡眠を取ったり、休息が取れることは本能的に求めているはずです。

 

では、3段階目の所属と愛の欲求…、これについてはまた次回に書いて

いきましょう。