飼い主も努力

前回の記事からだいぶ時間が経ってしもた…

が、続き的な感じで。


普段から食欲がある子でも、『緊張』や『不安』によって、食欲がガクッと

落ちちゃうのが困ったところだ。

やっぱご飯食べないと体力落ちちゃうからねぇ。

ペットホテルでワンコを預かっている身としては何とかご飯は食べて欲しいと

思うんですわ。

でも、それには飼い主さんも多少の努力は必要だと思うんですよ。

 

『緊張』、『不安』とざっくり書いてみたけど、もう少し詳しく書くと『緊張』って

普段と違う環境下で生活をしなければならない緊張のことだと思うんですわ。

普段と違う環境下、これを更に掘り下げていくと、

・世話する人が違うこと

・生活のリズムが変わること(ご飯の時間とか、寝る時間とか)

・周りの状況が異なること(周りに知らない犬がいる、ケージでの生活など)

こんなところが特に普段と違う環境になるだろーねぇ。

 

じゃあ、『不安』は?と聞かれたら。

これは只一つ。

・飼い主さんと離れること

これが不安の唯一の要素だろーな。

 

要するに、この『緊張』や『不安』を感じる部分に対しての経験を積ませる

のが大事。

出来ることなら幼いうちから。

 

知り合いではないからあれだけど、トレーナーのブログに『他人に託せる犬』と

いう言葉があった。

まさに、それ。

それが大切。

飼い主がいなくても、世話してくれる人が違くても、住み慣れた場所じゃなくても

ある程度落ち着いて過ごせるような心持ちが出来るかどうか。

これが他人に託せる犬という言葉に凝縮されていると思う。

 

 

そのために何を飼い主さんが努力するのか。

たくさんの人に世話してもらうよう頼みましょ!

可愛い子には旅をさせよと言うでしょ。

飼い主さんと離れて、知らない人との生活の中でも楽しい経験、落ち着いて

過ごせる経験を積ませるのって、飼い主さんと離れることへの不安対策に必ず

なりますから。

 

他にも根本的なところになるけど、社会化ね。

大概ペットホテルなどに預けるということは、自分以外の犬だっているもんです。

そんな時に他の犬との社会化が出来てる出来ていないで、犬の心持は変わり

ますから。

他の犬が大好きで、遊ぶのも大好きであれば、他の犬と一緒にいることで

だいぶ気が紛れますよ。

 

他にも、預ける先を想定しての、トレーニングだって出来るでしょ。

預ける先がクレートやケージであれば、ハウストレーニングしとくとだいぶ犬の

心持ちは変わりますよ。

 

いきなり、飼い主さんと離れる、知らない場所にいる、入ったこともないような

クレートに入れられる。

こんなのが、全部一気に重なれば、そりゃ食欲ある子だって、食欲なくなっちゃい

ますって。

だから、飼い主さんは事前に『緊張』や『不安』を感じる部分に対しての経験を

積ませてあげてって思う。

 

P.S.

預ける先の環境とかも大切。

周りで他の犬がワンワン吠えてたりするのも、当事者にとってはかなりストレスに

なったりするからね。

 

多頭飼いの場合も、いろいろ考えたげて~。

互いに依存しちゃうことも結構あるから。

それぞれが自立心があった方が良いよね。

 

 

ご飯食べなかったですか…?

暑い…とにかく暑い。

お盆真っ盛りですな。


おかげさまでペットホテルもたくさんのワンコ達で賑わってます。

今日はそんなペットホテルでのあるあるというか、トレーナー目線でのアドバイス的な感じで。


まあ、ほとんどのペットホテルでもそうだと思いますが、お預かり中のワンコ達の

様子を記録するわけです。

記録の一つに『食事』の項目があり、その日の食事状況として、残さず食べたか、

残したとしてもどの程度食べたのか、はたまた食べなかったのかなど。


お預かりしている身としては『残さず食べた』という項目にチェックしたいん

ですけどねぇ…

そう上手くはいかず。

『食べなかった』という項目にチェックすることも少なくなかったりと。

もちろん食べるための工夫もするんですけど、なかなかね。

 

そして、飼い主さんがお迎えに来た時にその記録を参考に、食事の状況

なども話たりするんですけど、食べなかったことを伝えると、『えっ?ご飯

食べなかったですか…?』と聞かれることも結構あるんですよねぇ。

 

そんな質問されたら、間髪入れずに『全部完食ですわ!めちゃめちゃ

食欲ありますねぇ!』とでも言いたいんだけど、嘘ついてもしょうがないし、

食べなかった事実は伝えておいた方が良いですからねぇ。

 

さて、ここで少し話は変わるんですが、ペットホテルの利用前にはカルテを

書いてもらうんですけど、質問項目に普段の食欲を5段階評価で書いて

もらう欄があります。

5段階評価の⑤が食欲モリモリさんな感じ!

食欲モリモリさんがどんな感じかを聞かれると困るけど…

まあ、食事を出したら、すぐに完食って感じでいいのかな!

 

ここで一旦、話を戻しますよ。

先ほどの『ご飯食べなかったですか…?』と聞かれるワンコ達のカルテを見て

みると、決して普段から食欲が低いわけではないんす。

5段階評価の⑤がチェックされている犬だっているわけです。

そんな子達がご飯を食べなかったわけだから飼い主さんはビックリするんで

しょうね。

 

でも、そういうこと結構あるんですよ~。

確かにお家だと、ご飯はペロンと食っちゃうんでしょう。

でもね、そんな食欲旺盛な子達でも『緊張』や『不安』によって食欲ってガクッと

落ちますから。

僕達だってそうですよ。

例えば、何か大舞台に立つような緊張する場面があったとして、そんな直前に

肉食いて~とか、寿司食いて~ってならないからね。

 

じゃあ、ここからはトレーナー目線でのアドバイス!

 

 

って思ったけど、書くの疲れたから次回に続けようっと!

 

 

『ストレス』、『興奮』便利な言葉だねぇ。

『ストレス』や『興奮』といった言葉、問題行動の原因としてこれらの言葉が

使われることが多いんだけど、実はこの言葉ってとっても便利なんですよ。

だって、肯定も否定もしづらいでしょ

それよりも『そうかも…』って思える。

例えばですよ、


質問:『留守番が多くてイライラしているのか、私たち家族に対して唸ったり、

    噛みついたりしてくるんです…』

答え:『留守番が長いと、どうしたってストレスが溜まります。体力が発散されて

    いなかったりすることで、ストレスレベルが高くなり、それが興奮に繋がる

    ので、そのような行動に出てしまうこともあります。』

 

もっともらしくありませんか?

他にも、

 

質問:『外に散歩に行くと、犬を見るたびに吠えたり、ガウガウと言いながら

    向かって行こうとしてしまうんです…』

答え:『犬に対して恐怖が強いようですね。犬と出会うことでストレスを感じ

    興奮してくるのでしょう。それが吠えたりガウガウする引き金になって

    いますね。』

 

他に、

 

質問:『散歩中、何でもかんでも拾い食いしようとするんです』

答え:『ストレスですね…』


質問:『甘噛みがひどいんです…』

答え:『ストレスですね…興奮してますね…』

 

質問:『散歩中、引っ張りが凄いんです…』

答え:『ストレスですね…』

 

質問:『リードを噛むんです…』

答え:『興奮してますね…』

 

ってな具合に、全てを『ストレス』や『興奮』といった言葉で片付けようと思えば

片付けられるってわけ。

もちろん、そこにもう少し具体的な色づけがされますよ。

 

確かに私もトレーナーとして仕事をしとりますし、これは『ストレス』が大きな

要因となってるな~って思うことはありますとも。

そして実際に行動学的な面から見ても、『ストレス』から起こるとされる

問題行動だってあります。

でも、全ての問題行動の原因はストレスだ!ってな感じはねぇ…。


実際に『ストレス』という物体が存在し、それが犬の中に蓄積されていく様が

見れたら分かるんですけどね。

そしたら、犬を見て『やべー、あいつ今ストレスめっちゃ溜まってるわ。

イライラしてそうだから攻撃されるかも…』って考えても良いかと思うんです

けど、実際は分かりませんからねぇ。

 

犬もストレスなんて分からんでしょう。

『あ~、俺、今めっちゃストレス溜まってるわ~。なんとかしてくれないと、

飼い主噛んじゃうわ~』って考えんでしょ。

それだけ、『ストレス』や『興奮』ってものは目に見えない曖昧な物なんす。

かと言って、もちろんバカにも出来ないけど、全てをストレスのせいにして

あ~、ストレス解消してあげないと…って考えなくてもいんじゃないかな。

 

 

確かに、思い浮かぶだけのストレスを解消してあげたことで、だいぶ問題と

していた行動が良くなったっていうケースもありますよ。

でも、それって『ストレス』が無くなっただけの問題じゃないんじゃないかな。

そのように、ストレスを解消してあげようって考えや行動が犬に対しての

向き合う時間であったり、飼い主の行動を変え、それがうまく犬の問題行動に

作用したりってのもあるんじゃないかな。

 

要するに、出来るだけストレスのない暮らしはさせてあげたいと思うけど、

無理なときだって、あると思うんですよ。

例えば、犬の留守番時間が長いとストレスになりますよ。

でも、仕事の都合で留守番させるケースって世の中ではめっちゃ多いんです。

そのストレスを無くして下さいと言ったところで、出来ない方だっていると

思うんですよ。

 

じゃあ、シッターとかようちえんとか使いましょうよ!と言ったところで、

決して安いもんじゃないですからね。

もちろん、そこに余裕があるのなら、そのような選択肢は選んであげて

欲しいと思うけど。

 

じゃあ、犬は飼わない方が良い!と言ったところで、もう飼ってますもん。

って、考えていったら、無理な時だってあると思うんですよ。

 

もちろん、ストレスが多大な原因となっているケースであれば、出来る範囲で

どうにかしないといけませんよ。

でも、ストレスを取り除くといった方法以外にもしつけやトレーニングによる

対応策はありますから、組み合わせてやっていくのも良いんじゃないですかね!