何故、足を拭くのか。

この件について、いろいろ書きたかった。
何故、足を拭くのか?と聞いたところで、帰ってくる答えは決まって
いるだろうが…。

僕は決して足を拭くな!と言っているのではない。
が、拭かずにいれるのであれば、あえて足を拭く必要はない。

まず根本的な話をすると、犬は足先を持たれるのは好きではない。
かなり敏感な部分だ。
そんな敏感な部分を持たれ、ゴシゴシと拭かれることを好きな子は
まずいないだろう。
好きか嫌いかと問えば、嫌いと答えるはずだ。

そんな嫌いなことをわざわざしなくても…というのが僕の考えだ。
それが、先ほどの拭かずにいれるのであれば、あえて足を拭く必要は
ないというところに繋がる。

だが、これも先ほど書いているのだが、足を拭くな!と言っているわけではない。
足を拭くことを全然嫌がらず受け入れてくれる犬もいるだろう。
そのようなことに慣らせるトレーニングを十二分に積んだ犬もいるだろう。

僕が何故と思うのは上記とは逆に、唸ったり、噛みついたりと物凄く
嫌がっているにも関わらず、足を拭く必要があるのかということだ。
こんなことを続けていると、関係は悪化していくだけ。
そればかりか、どんどん攻撃を覚えていく。

土足で家に入れたくないというのも分からなくはない。
だが、その考えを優先してしまうと上にも書いた通りとても危険である。

土足で家に入れたくないという家庭の多くは散歩の後は足を拭く決まりに
なっている。
とゆーことは、毎日散歩すると、犬は毎日嫌いなことをされるということになる。
とゆーことは、毎日唸ったり、噛みついたりという行動が繰り返される。

毎日そんなことが繰り返されるわけだから、関係性が悪化していくのも早い。
一応、断っておくが、毎日散歩するな!と言ってるのではない。
散歩は毎日することが望ましい。

僕が言いたいのは、関係性を悪くしてまで足を拭くべきかということ。
毎日そのような格闘を繰り広げられている方は、一度雑巾を置いて、
拭かないという選択肢を選んでみてはどうだろうか。

関係性を悪化させたり攻撃を覚えることと、部屋が多少汚れること。
秤にかけたときに、どちらが得でどちらが損なのか。

犬との生活を始めた時点で、どうあがいたって犬がいない生活より
部屋は汚れるものである。
少しぐらい妥協しても良いのではないだろうか。

どうしてもと言うのであれば、良い関係を構築し、足を拭くことに対して
慣らすまで待ってあげて欲しい。

 

 

何故、取り上げるのか。

咥えている物を取り上げる。
たいていの方達はしたことがあるだろう。
特に人間から見て、なんでそんな物を咥えるの?って物を咥えている時には。

そんな物は家の中にも外にもたくさんある。
家の中で多いのは、ティッシュやボールペン、洗濯物、スリッパ、そしてゴミ箱の中見ってところだろうか。

外で多いのは、葉っぱや小枝、小石、そしてやはりゴミ、極めつけは虫ってところだろう。

さて、さっきも書いたように、人間から見ると『なんで、そんな物?』である。
何故かというと、人間にとって咥える物ではないからだ。

ティッシュは拭く物であり、ボールペンは書く物、洗濯物は着る物、洗う物、スリッパは履く物である。
そして、ゴミ箱の中身や、外に落ちている物はゴミでしかない。
意識下では必要の無い物、汚い物と考えるだろう。

『そんな物』を咥えているわけだから、咄嗟に取り上げたくなるのだろう。
しかし犬目線で考えてみよう。

ティッシュは拭く物ではなく、やぶると楽しい物。
ボールペンはガジガジ噛み心地が良い物。
洗濯物は咥えていると、飼い主さんが取り上げようとして引っ張りっこの出来る物。
スリッパやゴミは咥えてると飼い主さんが追いかけてきて、追いかけっこ遊びの出来る物。

要するに、犬にとっては楽しい物でしかないのだ。
その、せっかく手に入れた楽しい物を、飼い主さんは『何で、そんな物咥えるの!』と言わんばかりに即刻取り上げる。

こんな事が数回繰り返されただけで、犬はすぐに学習する。
もともと所有欲が強い犬であれば、その数回が致命的になることさえある。

さて、先ほど犬はすぐに学習すると書いたわけだが、何を学習するのか。
取り上げられることを知るわけだから、取り上げられないようにすることを学習する。
逃げる。すぐに飲み込む。はたまた、取り上げられないように攻撃する。
そんなところだ。

全体的に飼い主からすると、めんどくさいことを学習してしまうのだ。
では、どうすれば良いか?

簡単である。
取り上げなければ良い。

葉っぱや小枝、ちょっとしたゴミなど食べて問題ない物は気にしなければ良い。
(サイズや量は考えなければならない)
たいてい、排泄物と一緒に出てくる。

ボールペンやスリッパなどは片付ければ良い。
もしくは玩具と割り切れば良い。

洗濯物などは犬の前で畳まなければ良い。
とにかく、取り上げるという機会を作らないことだ。

ボールを投げてやろうと遊んでいる時なども、何気なく取り上げてしまっているケースもある。
だから、私達トレーナーの多くは、最初からボール投げなどの遊び方はおススメしない。

何気なくしている行動も改めて見直してみよう。
もしかすると、気が付かないうちに何かを取り上げているのかもしれない。

 

 

何故、お友達なのか。

考えれば考えるほど、何故それするの?ってことが多いもんだから、勝手に
シリーズ化しようかと考え中。

そんな中、今回のタイトルは『何故、お友達なのか』

最近は以前ほど見かけなくはなったけど、たまに見かける光景である。
僕の中では7不思議の一つでもある。(不思議な事が7つあるわけではないが…)

さて、このタイトルがどういったことを伝えたいのかというと、散歩中『お友達よ~』
と急接近される場面のことである。
もし、何度も会ったことのある犬で、お互い警戒することもなく一緒に過ごす事が出来て
いたり、一緒に遊ぶことがある相手であればそのように近付かれても不思議には思わない。

しかし、実際に『お友達よ~』と急接近される相手は、初対面であることが多い。
あなたの犬と友達になった記憶がない。
にもかかわらず、初対面にして友達なのは何故だろう。

いくら他の犬に対してフレンドリーな犬であったとしても、初対面の犬に対しては
少なからず警戒する。
子犬であればさほど警戒心は高くないのだが、成犬であればそのような状況では確実に
少しは警戒するだろう。
それが生物のあるべき姿である。

そんな警戒している犬に対して、急に近付けて怪我をしたらどうするのか。

自分の犬がリードをグイグイ引っ張ってそちらの方へ行こうとするからといって、それが
友達というわけではない。
もしかすると、相手は他の犬が苦手かもしれない。

そんな相手に『お友達よ~』と急に近付けることによって相手の子は更に他の犬が苦手に
なるかもしれない。
近付けたことで、相手の子は攻撃的な様子を見せ、それを見たあなたが近付けるのを
止めたことで相手の子が攻撃を覚えてしまうかもしれない。

相手への配慮が大切である。
仲良くなってからが、お友達である。