僕の働いていたペットショップ事情 2

まだまだ続く!僕の働いていたペットショップ事情。

前回の記事でペットショップに生体がどういったルートで入ってくるのかなんとなくわかったかしら?
もう一回言っておくと、ペットショップで働いていた当時の僕は、そーいうものなのだろう…と思っていたし、また競り市やパピーミルを見たことがなかったのでその流通の粗悪ぶりを分かっていなかった。

ではそのような流通で入ってきた子犬を、僕がどのようにして迎えていたかという話を…

朝、ショップに出勤したら子犬達が段ボール(持ち運び用の取っ手付き)の中に入った状態で店内に並んでいるのです。
社長が競り市に行って仕入れをし、夜戻ってきたらそのままの状態で自分のペットショップの店内に置いているのです。

そして朝出勤した僕たちスタッフが子犬を取り出し、排泄物を片付け、身体をキレイにして、ガラスのショーケースに入れるのです。
そして、商品となるのです。

もちろん朝の仕事はそれだけではありません。
既に商品となってガラスのショーケースに入っている子犬達のお世話だってあります。

子犬である以上、おしっこやウンチを我慢出来るわけありません。
朝出勤したら、ショーケースのあちこちにおしっこやウンチが落ちています。
それらを避けている子もいますが、踏み荒らしている子もいますし、食フンしている子もいます。

こういった育ち方をしていく中で、自分の体をキレイに保つ習性が失われたり、食フンする癖がついていくこともあるのです。
そうしてお家に来た頃には、悪習慣となっておりトイレトレーニングに苦戦することだってあるのです。

ショップによっては、身体を汚さないように裂いた新聞紙やティッシュのようなペーパーを入れておくのですが、それは犬が身体をキレイにする習性を保てるようにするわけではなく、ショップ側が手入れを楽にするためです。
手入れを楽にすることは悪い事ではありませんが、そういった状態だとペーパーを食べている子が多く見られるのも実際のところです。

結局のところどちらがいいという話ではないのです。
狭いショーケースに入って、『商品』として扱われていることに今の僕は疑問を感じます。

それは、僕がペットショップで働いていた10数年前と比べ、生体の流通が明らかになってきたことや、動物先進国である欧米の犬情報が増えてきたこと。
また、ショップで購入した犬の方が問題行動が起こりやすいと統計的に出ていることなど様々な理由があります。

そういったことに早くペットショップも気付かないかな…。
いや…。
気付いているだろうから、早く行動起こさないかな…。

まだまだ書きたいことがあります。
次回もこんな調子で。

 

 

僕の働いていたペットショップ事情

ここまで、いくつかペットショップの売り文句ってやつを書いてきたわけですが、今回はペットショップの内情を書いてみよう。

第一回目の『ペットショップの売り文句にご注意』の記事の中でも書いているが、以前僕はペットショップで働き、生体を販売していた過去がある。
もう、10年以上も前になるが…。
一応断っておくが、そのペットショップでの経験がもとになっているのでご理解を。

あまり公にしたくないが、ペットショップで働いている時こんなことを言ったことがある。
僕が今だにとても鮮明に覚えている言葉…

ある犬種のオスを探しに来たお客さんがいたのだが、そのペットショップにはその犬種のメスしかいなかった場合。

『オス犬を探してるんですか!?オスだともう少ししたらマーキングが始まりますし、おしっこは足をあげてするからおしっこが飛び跳ねちゃいますよ。それに将来的に前立腺の病気にかかる可能性も高いからメスの方がいいんじゃないですか!?』

逆にメスを探しに来たのに、オスしかいなかった場合。

『えっ!?メスは大変ですよ。生理がきたら出血があるから面倒ですし、何より子宮の病気も心配ですからね。その点、オスは生理がないので飼いやすいですよ!』

こういった売り文句は昔から蔓延していたのだ。
そうやって在庫を抱えないようにし、売り上げをあげていくのだから。
そんなことを言っていた自分に嫌気がさすが…

ただ、その当時はペットショップで生体を買うことが当たり前過ぎて、生体を販売していることに全く違和感はなかったし、またそこの店ではそういったことを言いながら販売していたのでそういうものだと思っていた。

今でこそ、『パピーミル』という言葉や『犬の競り市』といった言葉も耳にすることが増え、ペットショップに生体がどういったルートで入ってくるのかも知られるようになってきた。
ただ、僕が働いていた10年以上前にはそういった情報は一般的ではなかった。
知っている人はほとんどいなかっただろう。

ペットショップで働いていた僕でさえ、当時『パピーミル』の存在は知らなかったのだから。
犬をどこから仕入れているのかを当時店長に訪ねた時『競り市場があるんだよ』といった返答から『犬の競り市』のことを知ったのは今でもよく覚えている。
そういった話の中で、そういう場所に入るには特定の会員にならなければならないことなども分かった。

当時働いていたショップの店長からそのうち連れてってやると言われていたが、行くことなく終わった。
あまり長く働かなかったから(笑)

ここまででだいぶ長くなってしまったが、ペットショップ事情に関する記事はもう少し書いていきたいので次回にも続けよう。

 

 

ペットショップの売り文句にご用心! 自分が耳にしたこと

前回、前々回と生体の売り文句について書いてきたわけですが、今回は実際に僕がペットショップで耳にした内容を書いてみよう。

今回取り上げてみようと思う話は2つ。
『お散歩はしなくても大丈夫です!』
『ご飯は一日に二回で大丈夫です!』
これは、耳にしたことがある人も多いのではないだろうか。

結論からいくと、『まったく大丈夫ではない。』
犬のことなぞ全く考えていない言葉だ。
これこそ売る事しか考えていない、売り文句だと思う。

何故、そう思うのか。
どちらにも共通するが、飼い主の面倒や手間をはぶく意図がある。
『大丈夫です!』の後に続くであろう言葉を書いてみよう。

『お散歩はしなくても大丈夫ですから、余計に時間を取る必要はありませんよ!』
『ご飯は一日に二回で大丈夫ですから、お昼はお家に置いてても大丈夫ですよ!』
という意図にしか捉えられない。

更に、その後に言葉を続けるとこんな感じだろう。
『こうやって出会ったのも運命でしょうから、お家に連れてってあげてください!』

…。

もう一度言おう。
『大丈夫ではない』
犬を飼うということは、面倒もかかるし、手間もかかる。
それ以上に得るものが大きいとしても、必ず現時点より時間を取らなければならない。

それなのに、そんなことはないと言って、生体を売ることで不幸な犬がどれだけ増えてしまうことだろう。
前回、前々回と書いているが、何も知らない飼い主さんはこういう言葉を信用してしまう。
犬に関するプロではなく、販売のプロの言葉を…。

その結果、散歩に連れて行ってもらえず、刺激に弱い犬になってしまう可能性がグンと上がる。
そうすると、臆病さが増したり、ちょっとしたことに過敏に反応するかもしれない。
ということは、様々な刺激に慣れた犬に比べ、不安やストレスを感じる機会が増えるというわけだ。
また、散歩に連れて行ってもらえないことでストレスを抱えることだって多々ある。
先ほどの言葉を信用してしまうことが、犬にとって可愛そうなことだとすぐに分かることだろう。

また、食事の面では1日2回という話を鵜呑みにしてしまい、子犬の頃から留守番の長い生活をさせられてしまう可能性だってある。
まだまだ消化力の弱い子犬に対して、1日2回の食事では消化が追い付かず、胃や腸に負担をかけてしまう可能性だって十分にある。

こういった内容が、これから犬を迎えようと考えている方々の目に止まってくれることを願って…