トレーナー目線でのトリミング。
これは犬にかなりの気を使う。
何故なら、犬が不安にならないようにそれぞれの作業に慣れさせようと
するからである。
例えば、爪切りにならすのであれば、最初から爪を切ることはしない。
いきなり、爪を切ってしまうことで、犬が怖い思いなどをしてしまうと
その後、大変なことになる可能性がある。
爪切りをしようとしたら暴れたり、かたや爪切りを持っただけで攻撃
しようとする可能性だってあり得る。
もちろん絶対にそのようになるわけではない。
そうなってしまう可能性があるというだけだ。
しかし、その可能性を極力潰していくのがトレーナーとしての考え方の
一つでもある。
なので、先ほど例に挙げた爪切りをとってみると、いきなり爪切りで爪を
切ったりするのではなく、金属を爪に当て、金属が当たる感覚に慣らして
いくなどの作業をすることもある。
そのようにして、徐々爪切りというものに慣らして、最終的に爪を切る
ところまで持っていくのである。
トレーナー目線でトリミングを見てみると、このように犬の状態を気に
留めることが幾つもある。
しかし、それが必ずしも良いわけではない。
飼い主さんは愛犬を綺麗にしてほしいのに、『慣らしてからじゃないと
出来ません』となってしまうと、それもいささか問題がある。
トリマーに対して、『まずは慣らすところから』と言ってしまうと、慣らして
いくだけで持ち時間は過ぎるだろう。
それでも足りないかもしれない。
結局のところ、いろいろな目線によって考え方は変わるのである。
ただし、いろんな目線での捉え方も考えて、子犬を迎え入れたら、トリミングの作業に慣らしてあげるということもご家庭で行ってあげて欲しい。