またまた、こんなことがあった。
今回はブリーダーの発言だ。
これまたビックリする内容で言葉を失う。
『うちではもらわれた後、留守番など一人になることに慣らしておく為に、早いうちに親兄弟と引き離しておくんですよ!』
…。
こりゃ、やべー…。
とてもじゃないが、ブリーダーの発言じゃない。
ツッコみどころが多すぎる。
まず第一に、もらわれてすぐに、産まれたばかりの子犬に留守番させることが前提ですかい?
むしろ、何故そのような家庭に自分が繁殖した大切な子犬を譲れるんですかい?
第二に、早いうちに親兄弟と引き離すことで、その子犬がどれだけ不安で寂しい気持ちになるのか分かってますかね?
また、親兄妹と一緒に過ごすことで噛みつきの抑制や社会的関わりあいを覚えていくことを分かってますかね?
また、兄妹たちと遊ぶ中で、前足をかけたりぶつかったりと繰り返すことでそういった刺激に対する耐性を身に付けていくことを分かってますかね?
まあ、分かっていない結果がこういうことなのだろう。
そして、この発言を飼い主さんが鵜呑みにしてしまうということが大きな問題だ。
特に初めて犬を飼う方なら尚更。
今回カウンセリングに来られた方も、そういった説明を受けたことで、『もらっていった後のことも考えて、そこまでやってくれているんだ!』と関心したのだそう。
そりゃ、そうだ。一般の飼い主さん(特に初めて犬を飼う方)は犬の習性など分からないのだから。
全くもって恐ろしいことである。
前回はペットショップでの売り文句について書いた。
その中で、ペットショップの店員は販売のプロであって犬の習性や行動学、しつけのプロではないと。
今回問題なのはブリーダーなのにというとこだ。
ブリーダーはペットショップ同様、販売も仕事ではあるが繁殖のプロでなければならない。
ということは、行動学やしつけについて深く知らなくても、先ほど書いたような子犬の習性(親兄弟と過ごす事の大切な理由など)は知ってなければならない。
そして子犬は留守番させる生き物ではないということも。
あなたは生まれて数か月の我が子を何時間も留守番させますか?と聞かれたら、皆さんはどう答えるだろう。
きっと答えが頭に浮かんだはずだ。
その答えが『NO』であることを望んでいる。
そして、そういった事を当たり前に思っているのがプロのブリーダーだと思う。
ブリーダーの発言もしっかり吟味しなければ。