幸いなことに、私は犬の学校を経営しており、様々なパピーや
成犬と密に接する機会を多くもつことが出来る。
その中で、前回までの続きになるのだが、犬の行動を真似たり、
カーミングシグナルを真似たりということを、ある程度の長いスパンで
試してみることが出来る。
それも様々な状態の犬に。
興奮している犬、落ち着いている犬、攻撃的な犬、フレンドリーな犬。
その結果、自分の中ではカーミングシグナルを伝えるのは難しいと
いう結論に至った。
しかし、それが全てではない。
ある知り合いのトレーナーは、カーミングシグナルを出したことで、
犬の行動に変化が出たと言っていた。
結局のところ、人間が犬の行動を真似ることで伝わりやすいもの、
伝わりにくいものがあるのだろう。
そこには犬自身のボディランゲージの読解力も関係してくると思う。
しかし、面白いもので先ほども書いたのだが私は犬の学校を
経営している上で様々なパピーと接する機会がある。
親兄弟とわずかの期間しか過ごしたことのないようなパピーだって
ざらにいる。
要するにまだまだ、ボディランゲージを学んでいない状態だ。
しかしながら、そのような子達に遊びを誘うシグナルを出すとすぐに
乗ってくる。
甘噛みしてきた時などに、威嚇するようなシグナル(ウナながら顔を
近づけたり)やスナッピング(空噛み)のシグナルを出すとすぐに伝わる。
その時の犬の状態が興奮していようが、落ち着いていようが、そこまで
反応に大差はない。
しかしながら、やはりこのような子犬にもカーミングシグナルを使って
みたが伝わっている様子はない。
伝わりやすいものはどのようなシグナルか、伝わりにくいものはどのような
シグナルなのか、自分の犬にもいろいろと試してみると良いだろう。