質の高い散歩

質の高い散歩。

 

僕も含め、トレーナーはこういった言葉をよく使う。

では、質の高い散歩ってどんな散歩だろう。。。

 

一般的に多くの方は、家の近所を散歩することが多いと思う。

平日なら尚更だし、もちろんそれが悪いわけではない。

僕だって、近所を散歩することは多々ありますし。

 

でも、質の高い散歩を考えたときには、それだけでは物足りない。

何故なら、人工的なコンクリートの上をたんたんと歩いたところで、犬の

散歩への満足度は高いとは言えないから。

 

もちろん都会と田舎とではコンクリード道路なども含め、周りの環境は

変わってくるので、一概には言えないけど、都市部へ行けば行くほど、

そのような物足りない環境になるんじゃないかな。

 

このような内容からも分かるように、僕が思う質の高い散歩というのは

周りの環境に大きく影響される。

では、どのような環境が良いの!?

 

僕は良く飼い主さんに伝える時、

質の高い散歩=森の中を自由にさせるイメージと伝える。

 

周りは木々で溢れ、夏でも木陰で覆われて涼しい。

地面はもちろんコンクリではなくフカフカとした土が敷かれ、落ち葉や

小枝がたくさん落ちていたり、草などが生い茂っている。

整備されたような平坦な道ではなく、駆け上ったり、駆け下りたりするような

アップダウンの道が続く。

野生の動物や鳥、虫がたくさんいるような大自然を想像して欲しい。

 

そんな大自然の森の中を、好きなだけ匂いを嗅いだり、気になる物が

あれば木枝でもなんでも咥えてみたり、フカフカの土を掘ってみたり、

落ち葉の上でゴロゴロ転がってみたり、好きな場所にマーキングしたり、

険しい道を走ったりと。

 

そのような環境で、そのようなで行動をさせてあげることが質の高い散歩を

する上で欠かせないものじゃないかなって思う。

そのような環境に連れて行くのは、容易ではないかもしれないけど、

出来る限り、そのような場所を見つけ、連れて行ってあげて欲しい。

 

もう一つ。質の高い散歩をする上で大切なことがある。

それは散歩している時の犬自身の状態だ。

 

考えてみれば分かるけれど、恐怖や不安でいっぱいの時にそんな環境に

連れて行っても、質が高くなるわけでは無い。

また、逆に嬉し過ぎて、テンションが上がり、リードをグイグイ引っ張るほど、

興奮している状態も、良い効果は得られない。

 

もちろん、楽しく散歩してくれていることは大切なのだが、犬自身が

落ち着いた状態で匂い嗅ぎを楽しんだり、気になる物を咥えてみたり、

小走りしたりと。

そのような落ち着いた精神状態の中で、そのような自然いっぱいの環境で、

そのような行動をさせてあげる。

 

これが、僕の思う質の高い散歩である。

 

 

○○な関係

飼い主と犬との関係作りを○○な関係と呼ぶことがある。

 

 

最近では使われることが少なくなってきたが、以前は上下関係主従関係

といった言葉を使われることが大半を占めていた。

 

 

そう呼ばれていた多くの理由は、犬が飼い主を含めた家族という単位の

中で群れを作ると考えられていた事。

そして、その中で犬は常に上に立とうとしていると考えられていたことなど

が挙げられる。

 

 

犬は自分よりも上位の者の言うことしか聞かず、下になってしまえば

言うことを聞かないだけではなく、好き勝手に振る舞う。

そのような考えの元、上下関係、主従関係といった言葉が叫ばれるように

なったのであろう。

 

 

最近ではそのような言葉を聞くことは少なくなった。

家族内で群れを作ったり、その中で上下関係を作るといった考えが否定

されるようになったからだ。

 

 

その頃から、信頼関係と言った言葉を聞くことが多くなったと思う。

そして最近では対等な関係や友人関係といった言葉を聞くことも多い。

 

 

さて、ここからが本題だ。

僕はあまり、この○○な関係という言葉を使わない。

 

 

何故かというと、○○な関係という表現は個人個人によって見解が異なる

ことがあるということ。

そして、もう一つは自分の中でしっくりこないからというのが理由だ。

 

 

正直、全部の良いとこ取りをしたい。

友人のような関係でありつつ、頼られる先輩のような関係でありつつ、

強さを持つ上司のような関係でありつつ。

 

 

主従関係や上下関係ほどの厳しいイメージである必要はないけど、正直、

強さを見せといた方が一緒に生活していく上で楽な面ってたくさんある。

困った行動に対して止めて欲しいことを伝える時に、強さを持たない人よりも

強さを持つ人が伝えた方がすんなり聞き入れやすい。

 

 

こんな書き方すると、『強さ』ってのにもそれぞれ人によって見解が異なる

から誤解されるかもしれんけど…

だけど、実際そう思う。

家族内で母親の言うことよりも、父親の言うことを聞く子供は結構多い。

それは父親から『強さ』というものを感じるからだろう。

 

 

その強さってのを表す関係を主従関係や上下関係と呼ぶのであれば、

その関係性を全否定する必要はないだろうし。

となると、結局呼び方ってどーでもいんだよねー。

だって、さっきも言ったように人によって見解が違うもん。

 

 

結局、僕が思う犬との良い関係って、飼い主が愛犬のことを良く理解し、

何が嫌なのかとか、何が怖いのかとかを一早く察知して、それに対しての

対応をしっかり取ってあげれること。

この飼い主といれば大丈夫だなぁと全信頼を置いてくれ、やって欲しくない

ことに関しては、多少なりとも厳しくするけど、それがしっかりと犬に伝わる

方法だということ。

かといって、そんなにやって欲しくない行動を多く捉える必要もなく、たくさんの

事を無理強いさせないようにすること。

こっちが、やって欲しくないと思うように、犬もやって欲しくないことはある。

それをしっかりと把握し、嫌なことはしないようにすること。

犬が一人で出来ないけど、とても大切な散歩などは時間が無いとか、

忙しいとか言い訳せず、心身共に満足させてあげるようにする。

…。

 

 

書いてたら止まらんわ!

そして、まだまだ書き足らんわ!
それを、○○関係の一言で済ませられるか!って話。

 

 

対症療法じゃないとダメなものも。

前回、少しだけ対症療法について触れてみたので、ちょい続きを。

とか言いつつもだいぶ時間経ってるけどね。

 

 

前回で対症療法と原因療法を組み合わせてやってけば良いじゃん!

って話をしました。

とにかくは表面的な症状を緩和させて、しっかりと原因となる根本を

治療していきましょうよって。

 

 

今回は原因療法が効かない話。

要するに対症療法でしか対応出来ないものもあるよ!って話。

 

 

もちろん、それは人間にも犬にも考えられると思う。

 

 

例えば人間のとても一般的な病気の一つ『風邪』。

 

 

この風邪って病気の真の治癒は薬剤ではなく、人体の持つ自然治癒力によってのみ起こるのだそう。

よって、医療機関で出来ることは患者が訴える表面的な症状に対しての対症療法ぐらいしか無いのだそうです。

例えば喉の痛みに対して鎮痛剤を出したり、発熱には解熱剤といった具合に。

 

 

それを聞いた時に、犬は?と思った。

そして、散歩中のリードの引っ張りとかはこれに当たるのかなってね。

 

 

表面的な『引っ張り』という行動を直したり、緩和させるのには様々な方法がある。

教科書的な内容では、犬が引っ張ったら止まる→リードが緩んだら歩き出すといった方法やリーダーウォークと呼ばれるもの、隣に歩いている時にご褒美を与え、横に付いて歩くことを強化していく方法など。

 

 

これらは全て、対症療法に当たる。

 

 

だって、この引っ張りという問題の根本となる原因を考えた時、その根本って

何かなって考えてみると…

 

リードを引っ張ることで好きな場所へ行けることを学習したから?

 

 

ストレスが溜まってるから?

 

 

いや。

それは根本的な原因ではないでしょ。

だって、学習する前から引っ張る奴は引っ張るし…

ストレス溜まってなくても引っ張る奴は引っ張るからね。

 

 

結局のところ、引っ張りの根本の原因って犬の方が歩くのが早いからって

ことでは?

それを散歩という枠にはめるから起こるのではないだろうか?

 

 

ただ、この根本を解決しようとなるとリードを着けないってなってしまう

わけで…。

そんなわけにもいかないから、この引っ張りって問題は対症療法じゃないと

いかんのではないだろうか!

 

 

って思ったお話でした!