ご飯を守る 2

ご飯を守ることを、認めてあげるべきか、止めさせるべきか。

 

私であれば、前回の記事でも書いたように、止めさせる方を選ぶ。

 

認めてあげるということは、犬が食事をしている時に、近付かない、

身体を触らない、食器に手を伸ばさないということになる。

 

それだけであれば出来るであろう。

 

だが、偶然にも近くを通らなければならないことが起こった時に、

うなられても、噛みつかれても仕方がないということである。

 

子供が遊びに来た時、孫が遊びに来た時、子供や孫が何気なしに

食事中の犬を触ろうとした時に、噛まれても仕方がないということだ。

 

子供達に前もって注意出来るなら良いが、それでもやってしまう

可能性があるのが子供である。

 

もしかしたら、犬の食事中に大切な指輪が食器の近くに落ちて

しまうかもしれない。

 

そのままにしておけば、誤って指輪を誤飲してしまうかもしれない。

 

そのようなことがあっても、認めてあげますか?

 

前回も書いたように、信頼関係などの飼い主さんとの関係性とは

別に所有欲を見せることがある。

 

であれば、最初からそのような所有欲は抑えるようなトレーニングを

しておいた方が良いだろう。

 

それで事故が起こる可能性がぐっと減るのであれば、その方が

良くはないだろうか。

 

そして、そのトレーニングを行うにしても、犬の食事の邪魔ばかりする

わけではない。

 

人間が近くにいても、平気なこと、食事を守る必要がないことを

教えて行くだけである。

 

ご飯を守る

タイトルの『ご飯を守る』という内容をもう少し詳しく書くと、犬が食事

している間に近付いたり、犬を触ったり、食器に手を近づけたりすると、

威嚇してきたり、噛みついてきたりするということである。

 

このような問題に直面した方はいるだろうか。

 

トレーナーであれば、このような悩みを持つクライアントと出会うことは、

そう珍しいことでもない。

 

もちろん、私もそのようなクライアントに出会った経験はある。

 

皆さんはこのような問題をどう捉えるだろうか。

 

いろんな意見があると思う。

 

『犬の所有権を侵害する方が悪い』と捉える方も、

 

『そんなことをしないように、しておいた方が良い』と捉える方も様々だろう。

 

私の考え方としては、後者だ。

 

何故なら、根本を考えると、ご飯に犬の所有権はない。

 

犬が働き、お金を稼ぎ、自分でご飯を買って、食べているわけはない。

 

人間が与えている物である。

 

しかしながら、もちろん犬はそんなことは知らない。

 

ご飯が差し出された瞬間に、自分の物と考える。

 

別にそのように考えの上で食事をしている時に、人が近付こうが、

触ろうが、食器に手を伸ばそうが、何も気にしない犬もいる。

 

それであれば問題はない。

 

だが、飼い主さんとの関係性に何の問題が無くても、近付いたり、

触ったり、食器に手を伸ばそうとすると、威嚇をしたり、噛みついて

くる犬もいる。

 

それもそのはず。

 

自然界では乏しい食べ物を必死で守る動物のほうが適応性が高い。

 

そういった習性は何百世代にも及ぶ選択繁殖を経てもなお、残っている

可能性は大いにある。

 

ドッグフードなど、ご飯に不自由しなくても本能的に食べ物を守ろうと

するのだ。

 

では、それを認めるべきか、止めさせるべきなのか。

 

次回へ続けましょう。

 

ドッグスポーツの勧め

私は、ドッグスポーツをこよなく愛するオーナーの一人である。

 

前回の記事にて、ドッグスポーツを反対する意見があることも

事実と書いた。

 

しかし、反対をするのであれば、経験した上で述べて欲しいとも。

 

私はもちろん、ドッグスポーツには賛成派なのだが、それは何故か

ということを経験をもとに書いてみたいと思う。

 

まず自分が愛犬とドッグスポーツを始める前と始めた後で確実に

変わったことが幾つかある。

 

その中でも、最も賛成をする上で大きい要因はコミュニケーションを

取る機会だと思う。

 

今まで犬と一緒にいる生活をしてはいたものの、そこまで頻繁に

一緒に何かをするという機会を作ることはなかった。

 

しつけやトレーニングを行っていく上で、褒めることはとても大切な

プロセスの一つになるが、一緒に何かをする機会を作らなければ、

褒めるような機会は多くは訪れない。

 

そういう面でもドッグスポーツは、飼い主さんと一緒に何かをする

機会になる。

 

そうすると自然と愛犬を褒める機会が増えるのだ。

 

それも、物凄く上手に褒める飼い主さんが多い。

 

普段のしつけやトレーニング、問題行動の矯正を行っていく上で、正直

上手に褒めている飼い主さんは多くはない。

 

しかしながら、ドッグスポーツになると、とても上手になる。

 

不思議なものだ。

 

ドッグスポーツになると、飼い主さんも大いに体を動かすから、

テンションが上がるのだろうか。

 

成功していく過程が目に見えやすいから、褒めやすいのだろうか。

 

やはり、楽しいからなのか。

 

何故かは分からないが、ドッグスポーツをしている時の飼い主さんは

褒めるのがとても上手なのだ。

 

そうなると、褒められている犬も悪い気はしない。

 

とても楽しそうな表情を浮かべ、明るく伸びやかにスポーツをしている

犬達がそこにはいる。

 

それを感じ、飼い主さんもとても楽しくなる。

 

そのスパイラルが、とても良いコミュニケーションになるのだ。